『踊り場の静寂』は、女子校生・美咲の秘めた官能と心理的葛藤を描いた短編小説である。
舞台はデパートの階段踊り場や駅のホームなど、日常の公共の場。美咲は、これらの場所で、誰にも見せない本当の自分を解放する。
外の雑音や人の気配を感じながら、緊張と興奮の狭間で揺れる彼女の心理を、作者は繊細かつ大胆に描き出す。

スマホのバイブ機能を活用したり、セーラー服の襟元に手を滑り込ませたりと、現代的な要素を交えながら、美咲の官能的な瞬間を暗示的に表現。
誰もが通り過ぎる日常の風景に、隠された背徳の瞬間を切り取る。彼女の心に潜むもう一つの顔が、読者の想像力を刺激する。

本作は、単に官能的な描写を楽しむだけでなく、公共の場という緊張感のある空間で、自分が本当に求めているものと向き合う美咲の内面的な成長も描いている。
誰にも見せない本当の自分を解放する瞬間を、美咲はどのように捉え、どのように受け入れるのか。読者は彼女の心理に寄り添いながら、物語の深淵に誘われる。
日常の隙間に潜む禁断の官能と、その向こう側に広がる人間ドラマを、ぜひお楽しみいただきたい。

FANZA